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高齢者の低栄養とは(2020.09.18更新)

今回は、高齢者の低栄養について考えてみたいと思います。

 栄養状態が悪いと体の免疫機能が低下し、病気になったり怪我をしたときに治りにくくなり、命にかかわることもあります。低栄養は、食欲の低下や食事の偏り、病気などの影響で、体を動かすために必要なエネルギーやたんぱく質が不足した状態です。特に高齢者や糖尿病患者さんではそのような状態になりやすく、積極的な予防が望まれます。

 具体的に低栄養と判定する基準は、GLIM(グリム)という診断基準があります。それによりますと、低栄養とされるのは、体重減少、低BMI、筋肉減少という状態のうちどれか1つ以上あって、なおかつ、原因が食事摂取量の減少、消化吸収能力の低下、病気やけがによる炎症によるものです。 

 BMIとは、体重と身長をもとに計算する体格指数でして、「体重㎏÷(身長m×身長m)」で計算します。たとえば、身長1.6mで体重50㎏だとしたらBMIは19.5で、70歳以上の人なら「低BMI」に当てはまります。日本人の場合、70歳未満の人でBMIが18.5未満、70歳以上の人で20未満なら、低BMIです。

 体重減少は「5~10%以上体重が減った」ということが目安になります。体重が50㎏だった人が45㎏になると、10%減ったということになります。

 筋肉量が減少はサルコペニア(サルコ=筋肉、ぺニア=減少)という言葉でよく知られてます。筋肉量を図る方法は、DXA法やインピーダンス法などがありますが簡単に確認する方法は、ふくらはぎの最も太い部分を囲めるかどうかを確かめる「指輪っかテスト」です。両手の親指と人差し指で囲んでみて、すき間ができるくらいふくらはぎが細い場合は、筋肉が減少している疑いがあります。サルコペニア肥満と言って見かけ上太っていても実際には脂肪が多く筋肉は減少している人もいます。筋肉の量が減ると、糖を調整する力が低下して血糖値が変動しやすくなり、糖尿病患者さんでは問題となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これら「5~10%以上体重が減った」「低BMI」「筋肉量の減少」のうちどれかがある場合は、栄養状態が悪いということになります。「日本人の食事摂取基準2020年版」によるますと、総死亡率が最も低く、理想的なBMIは、18~49歳で18.5~24.9、50~64歳で20~24.9、65歳以上は22.5~27.4とされています。ですから65歳の高齢者は、少しふっくらしている人の方が、肺炎や感染症などにかかりにくく、長生きできる可能性が高いわけです。

 低栄養を防ぐためには、エネルギー源になる炭水化物と脂質、骨や筋肉、血液などの元となるたんぱく質などの栄養素をしっかり摂ることが大切です。特に、高齢者が意識して摂りたいのがたんぱく質です。筋肉が十分にある人でも筋肉を維持するためには、高齢者の場合で、1日に体重1kgあたりタンパク質1.0~1.2gを目安に摂る必要があります。体重が60㎏なら1日に約60~72gが必要ということになります。サルコペニアで筋肉を増やす必要がある人はその摂取量では足りなく、1日に体重1kgあたり1.2~1.5g、体重60㎏なら1日に72~90gのタンパク質をとる必要があるでしょう。さらに骨格筋を合成するためには、蛋白質を朝、昼、夕と1日3食摂取することも大切です。夕食に十分な量の蛋白質を摂取して血中アミノ酸が増加しても、朝食と昼食で閾値に達しなければ、日中の蛋白質の分解が促進して筋肉量は低下してしまいます。

 更に運動ですね。筋肉の減少と低栄養を予防するためには、家事や買い物、通勤などの時間を利用して、日常生活の中で体を動かすことも大切です。1日30分、あるいは1日おきに1時間早歩きをするのが良いでしょう。そして筋肉を維持するためには、スクワットなどの筋肉トレーニングが有効です。

 低栄養、筋肉量の減少を防いで生き生きと活力のある生活を送って頂きたいものです。特に高齢糖尿病患者さんは食べる量を控えがちになることが多く、で注意が必要ですね。

 

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