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噛むことと肥満について(2022.06.10更新)

 現代人は過食と運動不足で肥満になりやすく、いわゆる”肥満糖尿病”は、2型糖尿病の約6割以上を占めていると言われています。特定健診・特定保健指導は、メタボに着目した保健指導重視型健診ですが、その主役は糖尿病なのです。

 今回は、むかしから言われている”よく噛むことはからだによく、肥満予防・解消につながる”についてお話します。

 

咀嚼法とは

 肥満患者さんの大多数は「早食い」です。「早食い」は、正常の満腹感から逸脱した過食の原因になります。満腹情報として、食行動調節に大きな役割を果たしている消化管の機械的刺激や吸収後の代謝産物などの情報が、「早食い」によって機能しなくなります。

 小児期から習慣化した「早食い」の矯正は困難なため、長期にわたる練習によって早食いを直す訓練が必要になります。一口30回噛むことで、1回の食事にかける時間が長くなっていきます。咀嚼法は「早食い」の是正に効果があることが期待できます。

 一口30回噛む食事は、咀嚼時の延長に伴い本来の歯ごたえや味覚の自覚をもたらします。最終的には、咀嚼法によって早食いを矯正し、肥満を解消できると考えます。

 

歯の本数と食べられる食品

 歯が20本以上揃い、かみ合っているという条件で、一口分を食べるための咀嚼回数をカレーと焼きそばの具によって計ると、次のような結果になります。

 

具なしカレー(レトルト) 8回

きのこカレー       20回

シーフードカレー     24回

具なし焼きそば      20回

肉・野菜入り焼きそば   30回

 

 虫歯や歯周病で歯がなくなると当然、噛み応えのある食品が食べにくくなり、自然と噛む回数が減ってきます。下記は噛み応えのある代表的な食品です。

ナッツ、ごまなど→硬いもの

たけのこ、人参、大根など→繊維質のもの

干ししいたけ、かまぼこなど→弾力性のあるもの

 噛める歯が少なくなると(0~5歯)、うどんやバナナなど、噛まなくても飲み込めるものや舌でつぶせるものしか摂れなくなり、食べられる料理が限られてきます。一方で、噛める歯が多いと(18~28歯)、堅焼きせんべいやするめいかなど、ごく硬い、もしくは噛み応えのあるものも咀嚼でき、なんでも味わって美味しく食べられます。20本程度噛める歯があれば、ほぼすべての食品が食べられるという研究結果があります。

 

肥満予防・解消のために

 肥満の予防・解消のためには、よく噛める歯を持ち、噛むことを意識して、ゆっくり食事を摂ることを心がけましょう。すでに多くの歯を失われた人は、かかりつけ歯科医による義歯治療を受け、噛む機能を回復させることが重要です。

 

さかえ 2011年2月号 新・歯科医師からのメッセージより引用

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