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フリースタイルリブレで血糖変動を見てみませんか

[2022.11.04]

 

 血糖管理が必ずしも良くなく、血糖が高い状態が長く続いてしまいますと、糖尿病の合併症が起きてしまいます。これは血液中のブドウ糖が過剰に増えたことで、さまざまな臓器の血管が損傷を受けることによります。目が悪くなる糖尿病網膜症、腎臓が悪くなる糖尿病性腎症、神経が悪くなる糖尿病神経障害の3つが代表的な糖尿病合併症ですね。これらはみなさんご存じと思います。そしてこの為には過去1~2ヶ月間の血糖値の平均値を示すヘモグロビンA1cを7%未満にしていれば合併症を防げる。これもみなさんご存じこと思います。

 しかし、同じヘモグロビンA1cであっても図のように血糖値が比較的安定している人と著しい高血糖や低血糖を繰り返している人とでは、血糖の変動が強い人のほうがが合併症の発症リスクが高くなることが知られています。つまり、合併症の発症や進行を予防して健康寿命を延ばすには、ヘモグロビンA1cを下げるだけではなく、高血糖や低血糖を避けて血糖値の変動の幅をできるだけ小さくすることが大切となってきます。

 更にヘモグロビンA1cでは患者さんの普段の血糖コントロールの平均状態を知ることができますが、その反面日々の血糖値がどのように変化しているのかまでは把握することができません。たとえヘモグロビンA1cが良くても1日の中で著しい高血糖の時間や低血糖の時間がどうしても出てしまうものです。これが具体的に分からないと、食事にしても薬剤にしても治療の方針が立てにくくなります。特にインスリンの分泌がなくなった1型糖尿病患者さんや血糖コントロールが難しい患者さんでは、日々の生活のなかで血糖値がどのように変化しているのかを把握し、適切の対応していくことがとても困難になります。

 そんな中で持続的に血糖値を測定して血糖の変動を見えるようにするための機器として開発されたのが、持続グルコースモニタリングシステムです。これらの機器を用いて、図のように血糖値の変化を点ではなく線で捉えることで、血糖の自己測定だけでは気付きにくかった食後の高血糖や夜間の低血糖に対処できるようになります。血糖コントロールの改善に役立つものです。

 数ある持続グルコースモニタリングシステムのなかでもフリースタイルリブレ(略してリブレと言います)が巷で多く利用されています。これは皮下に入れたセンサーで皮下と脂肪の間の間質液中の糖濃度(図)を連続的に測定し、専用のリーダーであるいは自分のスマホでスキャンして読み取るものです(図)。これにより1日中に渡って糖濃度即ち血糖を知ることができるのです。

           

 血糖の上下動などをリアルタイムに見ることが出来、血糖自己測定だけでは発見しにくい夜間や早朝の低血糖、食後の高血糖を見つけることが出来ます。日本ではインスリン治療を受けている方は健康保険が使えます。特に1型糖尿病の方、血糖管理が難しい2型糖尿病の方に多く使われています。

                  

 しかし、血糖変動を継続的にモニタリングすることが出来ることで、自分の状態をより深く理解し、糖尿病の管理につなげることが出来ますのでどなたにも適します。例えばどの様な食事で血糖が上がりやすいか、上りにくいか、どのような間食でより血糖が上がるかが手を取るように分かります。また食後に運動をすると血糖の上りが抑えられるとか、運動中の低血糖をモニターすることが出来ます。ですから自費にはなりますが、軽症の方も中等症の方もリブレを使ってより良い血糖コントロールを心掛けてる方が増えてるのは事実です。

 血糖変動を継続的にモニタリングすることで、自分の状態をより深く理解し、糖尿病の管理につなげることができるようになります。今後、これらによって糖尿病のより良い管理ならびに糖尿病合併症のリスク軽減につながることを期待したいものです。

 

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