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残薬が多い患者さんタイプは「楽観的志向」と「治療あきらめ志向」

[2017.12.30]

今回ある施設で行なわれた患者さんアンケートで、残薬に関する調査がなされました。
JDDM研究(2016年度集計)によりますと、経口血糖降下薬で治療中の患者さんのうちHbA1c7.0%以上の方は42.3%に上り、その原因の1つには残薬の問題も考えなければなりません。

そのアンケートによりますと、治療薬の残薬状況で、「残薬あり」と回答した患者さんは33%と、3人に1人は「残薬がある」という結果でした。その理由としては、「ついうっかり忘れる」(56%)が一番多く、次に「外出の際の携帯忘れ」(39%)、「食事のタイミングが合わず服用できなかった」(24%)の順でした。
 
さらにこれを「病識・治療態度」による因子で検討しますと、「楽観的志向」と「治療あきらめ志向」の患者さんが問題として浮き上がりました。 「楽観的志向」は、自分は軽症で、服薬順守の重要性を軽視しがちであるため残薬になるようです。 「治療あきらめ志向」は、フルタイム就業で生活が忙しく、服薬管理が難しく、自分の病態の現状を諦めているため残薬になるとのことです。
 
服薬順守は血糖値だけでなく、入院・救急処置室の受診や死亡率など、さまざまなものに影響を及ぼします。その順守の向上で血糖の良好なコントロールができれば、心筋梗塞などの合併症リスクの低下につながることはあきらかです。従いまして、服薬順守にむけて、私共医療者も患者さんの希望を十分聞いて共に考えて治療にあたることが大切と考えます。

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