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H30年 風間内科医院通信

11月号 日常生活の中でできるストレッチ運動~タオルを使って肩回りと肩甲骨をストレッチ~

1.日常生活の中でできるストレッチ運動~タオルを使って肩回りと肩甲骨をストレッチ~

2型糖尿病患者さんでは、肩関節の周囲の炎症、いわゆる五十肩の発生率が高い傾向にあり、肩回りのストレッチは重要です。肩と肩甲骨の柔軟性を高めるストレッチ運動は、タオルを使うと運動中の体のバランスを保ちやすく、握る幅を変えることで負荷を調節できます。まず手を下げ、タオルを肩幅よりやや広めに両手で握ります。この状態から両手を持ち上げ、頭の後方まで伸ばしましょう。さらに息を吐きながらゆっくり肘を曲げ、タオルを握った両手を頭の後ろに下げていきます。伸ばす部位を意識しながら、痛くならない程度で20秒以上かけて伸ばしましょう。

 

2.粗食による低栄養がもたらす低血糖のリスクとは?

高齢2型糖尿病患者さんは、高血糖が脳卒中などの合併症の危険性を高めることが知られています。一方で、食事を抜いたり、過度の糖質制限を行ったりすることで、逆に低栄養になる危険があることは意外と知られていません。この原因の多くは、肉や魚などの良質なたんぱく質の摂取不足などバランスを欠いた食事やエネルギー不足です。薬で治療中の高齢患者さんにおける低栄養状態は、重度の低血糖を招く恐れがあり、その結果、転倒による骨折などのリスクも考えられます。主治医の先生と相談しながら、バランスの良い食生活を心がけましよう。

 

10月号 日常生活の中でできる有酸素運動~膝の負担が少ない水中ウォーキング~

1.日常生活の中でできる有酸素運動~膝の負担が少ない水中ウォーキング~

代表的な有酸素運動のウォーキングは、プールなど水中で行うとより効果的です。水中は陸上の約15倍の抵抗を受けるため、陸上で行うウォーキングの約1.3倍のカロリー消費が見込めます。また、水中は膝や腰にかかる負担が少ないという特徴もあります。水中ウォーキングでは背筋を伸ばしてまっすぐ前を向く姿勢で腕を前後に大きく振りながら、太ももをできるだけ大きく上げ、大きな歩幅で歩きます。この際にバランスを保つために、踵からゆっくり足裏全体で着地することを心がけましょう。週に1度くらいから始め、気に入れば週2~3回を目安に取り組みましょう。

 

2.高齢者はいつもと違った症状がある場合は低血糖かもしれません

高齢2型糖尿病患者さんでは、低血糖の症状として頭のくらくら感、体のふらふら感、めまい、脱力などが多いと言われています。発汗や動悸などの症状は出にくくなっていますので、低血糖が見逃されていることがあります。また、低血糖によって認知機能障害が起こる可能性があります。この認知機能障害によって、低血糖への対処が遅れ、重症化することもあるため、注意が必要です。このような悪循環を起こさないためにもいつもと違った症状がある場合には、すぐにブドウ糖10~20gをとってみることが大切です。

 

9月号 日常生活の中でできるレジスタンス運動~壁を使った腕立て伏せ~

1.日常生活の中でできるレジスタンス運動~壁を使った腕立て伏せ~

高齢の糖尿病患者さんでも手軽に行えるレジスタンス運動(筋肉に抵抗をかけながら、繰り返し行う運動)として、壁を使った腕立て伏せを紹介します。壁から約50cmのところに立ち、胸の高さで両手を肩幅よりもやや広めにして壁につけます。両肘をゆっくり曲げながら上体を壁に近づけ、ゆっくり戻します。これを10回ほど繰り返します。この運動は胸の筋肉と腕の力こぶの筋肉に効果がありますが、両手を肩幅よりも狭めて行えば、二の腕を鍛えることも可能です。週に2~3回を目安に取り組んでみましょう。

 

2.高齢2型糖尿病患者さんの認知症リスク

高齢2型糖尿病患者さんで高血糖状態が続くと認知症発症リスクが2倍以上に高くなるという報告もあります。一方、軽度であっても低血糖を起こすと認知機能が低下すると言われています。さらに、高齢患者さんでは重症低血糖を起こしてしまうと認知症の発症リスクが上昇することが報告されています。健康な人と変わらない日常生活を維持するためには、血糖を良好にコントロールすることが重要です。主治医の先生に相談しながら、ご自身の健康状態に合わせた適切な血糖管理を目指しましょう。

 

8月号 日常生活の中でできる運動療法~背筋と体側を伸ばすストレッチ~

1.日常生活の中でできる運動療法~背筋と体側を伸ばすストレッチ~

ウォーキングなどの有酸素運動や筋力を鍛えるレジスタンス運動を行う際、体の柔軟性を保つストレッチ運動は欠かせません。ウォーキングは背筋を伸ばした姿勢を保つことが効果的ですので、背筋と体側のストレッチ運動が特に重要です。背筋のストレッチは、仰向けになり両脚を曲げて両腕で膝を抱え込み、膝に向かって首を持ち上げて近づけます。一方、体側のストレッチは、耳を挟むように両腕を上に伸ばし、手首を交差させて指を組む姿勢から、やや背伸びをしながら体を左石にゆっくり倒します。いずれも20秒以上かけゆっくり伸ばしましょう。週に2~3回が目安です。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの脳梗塞リスク

2型塘尿病患者さんは高血糖に伴い、動脈硬化が進行する可能性があります。その結果、糖尿病でない人に比べると、脳梗塞になるリスクが2~3倍高くなるという報告もあります。特に高齢患者さんは、脳梗塞になると認知症などの後遺症が残ってしまう可能性が高くなります。
また、低血糖も脳梗塞のリスクを高めることが知られているため、十分な注意が必要です。脳梗塞を予防するためにも主治医の先生と十分に相談しながら、ご自身に合った適切な血糖コントロールを目指しましょう。

 

7月号 日常生活の中でできる運動療法~理想のフォームで中強度のウォーキング~

1.日常生活の中でできる運動療法~理想のフォームで中強度のウォーキング~

ウォーキングは手軽にできる有酸素運動ですが、だらだら歩くのは、あまり効果的ではありません。理想のフォームで少しきつく感じるような中強度の歩き方が効果的です。猫背や腰のそりすぎに注意してまっすぐ立ち、顎を引き遠くを見るようにして、頭が紐で上に引っ張られているような意識を持ちます。
かかとから着地し足の裏全体で地面につき、5本の足指で地面をつかむ感覚で踏み出します。腕は軽く肘を曲げ、肩甲胃を意識して前後に大きく振り、歩幅は無理のない程度でできるだけ広く歩きましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの脱水と熱中症リスク

高齢な方は、体内の水分量が少なく、のどの渇きを感じにくいため、特に夏場は脱水傾向にあります。さらに、脱水がひどい場合には熱中症になることもあり、血糖値も乱れてしまうため注意が必要です。脱水や熱中症予防には、室内での適温管理に加え、喉が渇いていなくても、こまめに水分とミネラルを摂ることが大切です。この時期は特に脱水や熱中症の予防対策をして、主治医の先生と相談しながら、適切な血糖コントロールを目指しましょう。

 

6月号 日常生活の中でできる運動療法~椅子を使ったハーフスクワット~

1.日常生活の中でできる運動療法~椅子を使ったハーフスクワット~

レジスタンス運動は、筋肉に抵抗をかけながら繰り返し行う運動で、高齢2型糖尿病患者さんの血糖降下が期待できます。
家庭で気軽にできる椅子を使ったスクワット運動をご紹介します。椅子の背に両手を添え、つま先が横に揃うようにして肩幅に広げます。
後ろに置いた椅子をイメ-ジし、1、2、3と数えながら座り、4、5、6で立ち上がります。これを10回くらい繰り返します。
膝の負担を軽くするため、膝がつま先より前にでないようにし90度以上曲げないように注意しましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの転倒と骨折リスク

高齢2型糖尿病患者さんは、健康な高齢者に比べて転倒リスクが高くなります。
転倒の要因の1つに、低血糖によるふらつきがあります。
また、転倒によって骨折してしまうと、寝たきりになってしまうこともあるため、できる限り低血糖を起こさないことが重要です。
一方で、高齢2型糖尿病患者さんは、手の震えや冷や汗など低血糖症状を自覚しにくい特徴があります。
いつもと違うと感じたら、年齢のせいだと自己判断せず、主治医の先生に相談し、できる限り低血糖を起こさない血糖コントロールを目指しましょう。

 

5月号 日常生活の中でできる運動療法~柔軟性を保つストレッチ運動~

1.日常生活の中でできる運動療法~柔軟性を保つストレッチ運動~

年齢を重ねると柔軟性は低下し、日常生活や運動の妨げになります。柔軟性が低下を和らげるためには、ストレッチ運動が有効です。次のポイントに注意して効果的なストレッチを試してみましょう。
①20秒以上かけてゆっくり伸ばす
②伸ばす部位を意識する
③いたくなく気持ちよい程度に伸ばす
④呼吸を止めない(呼吸を止めると血圧の上昇が起こる場合があるため) また、有酸素運動や筋力トレーニングなどのレジスタンス運動と合わせると効果的です。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの食後血糖値

血糖値は健康な方でも空腹のときは低く、食後には高くなりますが、年齢を重ねるとさらに食後血糖値が下がりにくくなります。その理由として、加齢に伴う骨や筋肉の減少、内臓脂肪の増加、運動量の減少や糖質の多い食事内容などが挙げられます。
特に高齢2型糖尿病患者さんでは、食後血糖値が高いと認知機能が低下したり、糖尿病網膜症のリスクが高くなります。また糖尿病腎症の発症や悪化にも注意が必要です。主治医の先生と相談しながら、ご自身に合った適切な食後血糖値を目指しましょう。

 

4月号 運動療法の「なぜ」がわかる~日常生活の中でできる運動療法~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~日常生活の中でできる運動療法~

ウォーキングや水泳などの有酸素運動と筋力トレーニングなどのレジスタンス運動(筋肉に抵抗をかけ、繰り返し行う運動)を組み合わせて行うのが理想です。日常生活の中でも、少し早歩きをするだけで効果的な有酸素運動になります。目安は、ややきついと感じる、会話ができる程度です。1日の歩数を歩数計で確認して、現状より+2000歩(時間にして+20分)増えるように意識してみるとさらに効果的です。また、階段の上り下りはレジスタンス運動になります。無理のない範囲で階段を使ってみてはいかがでしょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんが目指すべき血糖値とは?

合併症などのリスクの低い高齢者の場合、目標となるHbA1c値は7.4%が目安になります。しかしながら、高齢者では合併症などにより、健康状態の個人差が大きく、目標とする血糖値は合併症・低血糖(ふらふらして気が遠くなる感じ、力が入らない感じなど)の危険性を考慮し、個々に設定する必要があります。高齢な方が低血糖を起こした場合には、ふらつきによる転倒・骨折や認知症のリスクが高くなることが知られています。したがって、低血糖を極力避けながら血糖コントロールするために、主治医の先生とご相談しながら、ご自信に合った目標値を設定してみてください。

 

3月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんの運動の質とは~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんの運動の質とは~

糖尿病患者さんが、適切な運動療法を行うためには、どの程度(時間や頻度)の運動を、どのような強さ(質)で行うかが大切です。ウォーキングでも、ゆっくりと歩くのと少し息が上がる程度の強さで行うのでは運動量が異なります。週に3~5回、できれば毎日、有酸素運動を20~60分間行い、合計で週に150分程度を目安に行いましょう。強さの目安は、「楽である」または「ややきつい」と感じる程度です。スクワットや腹筋運動など、筋肉に抵抗をかけながら繰り返し行うレジスタンス運動も週に2~3回、同時に行うと、より効果的です。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの高血糖を引き起こすシックデイとは?

シックデイとは、糖尿病患者さんが治療中に体調を崩した状態のことをいいます。シックデイになると身体にストレスがかかり、いつもより血糖値が上がりやすくなります。また、いつもと同じ薬物療法を行うと、お薬の副作用がでることもあります。高齢2型糖尿病患者さんは、シックデイの際は脱水状態になりやすいため、十分な水分補給が大切です。食欲がないときは、お粥など消化の良い食べ物でエネルギー補給をしましょう。体調を崩したときは、早めに主治医の先生に連絡し指示を受けてください。

 

2月号 運動療法の「なぜ」がわかる~運動療法における準備運動のやり方~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~運動療法における準備運動のやり方~

運動療法を行う前には、準備運動を意識しましょう。準備運動を行うことで、筋や関節などに対する障害の予防、転倒などの事故防止にもなり、運動を行いやすくします。また、心臓などに対する負担も軽減できます。準備運動は、5分間位かけ、ゆっくりと目的の強度へ上げていくことで、徐々に血流量が増え、筋肉も温まり柔軟性が向上します。何事も、「急に」「強い」運動はさけて、ゆるやかに始めて終わることをイメージしましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 血糖コントロールにも影響する糖尿病患者さんの歯周病とは?

歯周病は、原因菌の感染による慢性的な炎症で、糖尿病の合併症の1つです。歯周病になると、インスリン抵抗性が上昇し、血糖コントロールが悪化します。歯周病と糖尿病は相互に関連し、特に高齢者の糖尿病患者さんでは羅患率が高いため注意が必要です。歯周病治療によってインスリン抵抗性が軽減し、血糖コントロールも改善すると考えられていますので、糖尿病の治療とともに定期的な口腔ケアも行いましょう。

 

1月号 運動療法の「なぜ」がわかる~運動療法における低血糖への注意~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~運動療法における低血糖への注意~

運動療法は、血糖値を低下させインスリン抵抗性を改善させる効果があり、2型糖尿病患者さんに有効な治療法です。運動療法は、特に制限のない場合は、自分のライフスタイルにあわせていつ行ってもいいですが、食後1~2時間に行うと食後の高血糖が改善することから、空腹時や食前に運動するよりもプラスアルファの効果が期待できます。インスリンやインスリン分泌刺激薬を使用している患者さんでは、低血糖になりやすい時間帯があるため注意が必要です。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの服薬管理で気を付けたいこととは?

糖尿病の治療では、薬の管理が自分でできるかどうかが、治療効果に影響することもあります。高齢2型糖尿病患者さんは、認知症が起こりやすくなっています。服薬やインスリン注射を忘れてしまう場合は、カレンダーに印をつけたり、服薬管理用のピルケースなどを使用するなど、できるだけ自己管理ができるような工夫が大切です。認知症が進行し、服薬管理が難しくなった場合は、家族のサポートが必要になります。介護やケアが必要な場合は、介護保険制度もあるので、お住まいの地域包括センターに相談してみましょう。

 

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