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糖尿病の食事

糖尿病の食事療法ってどうするの?

余分なエネルギーを取り過ぎないことで、血糖コントロールがしやすくなります

健康な人では、食事で取り入れたブドウ糖が、すい臓で作られるインスリンの働きで肝臓や筋肉に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。ところが、糖尿病の人では、インスリンの分泌や働きが悪いため、余分なブドウ糖が血液中にたまってしまい、血糖値が高くなっているのです。この状態が続くと、ますますインスリンの分泌や働きが悪くなり、さらに糖尿病が悪化してしまいます。

食事療法を行うことで、余分なブドウ糖が減り、インスリンの分泌や働きが回復して、ブドウ糖がうまく利用されるようになるのです。

 

適切な体重を維持しよう

肥満がインスリンの働きと大きく関係してます。肥満の脂肪細胞がインスリンの働きを阻害する物質を作ってしまうのです。

標準体重とは、人間が最も活動的に日常生活を送れる理想的な体重です。また、肥満かどうかはBMIという指数で表れせます。この数値が25以上になったら肥満です。これらは下の図のように計算されます。

1日の適正エネルギー摂取量を知りましょう

自分の適切なエネルギー摂取量を知る必要があります。適切なエネルギー摂取によってインスリン分泌する疲れた膵臓の負担を軽くします。肥満の解消に役立ちます。
下の図のように計算されます。

個々の食品のエネルギー(カロリー)量は「食品交換表」や市販のカロリーガイドブックでしることができます。

バランスよく栄養を摂ることが大切

 3大栄養素である炭水化物(糖質)、たんぱく質、脂質を適切な配分で摂りましょう。

 1日の総エネルギー量の50~60%を炭水化物15~20%をたんぱく質で、20~25%を脂質で摂ることが目安です。

 これには「食品交換表」が役立ちます。

 上手な食事療法のポイント

今まで好きなだけ食事を取っていた人が、急に適正エネルギーまで減らしても、なかなか長続きしません。徐々にエネルギー量を減らしていくようにしましょう。また、空腹感が強いときは、こんにゃく、きのこ類、海草類などでボリュームを増やすとよいでしょう。

1食抜いたり、食事の間隔が長くなったりすると、栄養のバランスを取りづらくなりますし、次の食事量が増え、急激に血糖値が上昇しがちです。1日3食を規則正しく取るようにしてください。また、どうしても夕食が多くなりがちですので、おかずの量を一律2~3割、朝・昼食に持っていくとよいでしょう。

血糖を上昇させないためには、糖質や脂肪(とくに動物性脂肪)を取りすぎないことが大切です。しかし、糖質や脂肪の含まれている食品をまったく取らなくてよいわけではなく、1日の適正エネルギーの範囲内で、バランスよく取るよう心がけましょう。

甘いものが食べたくてしかたがないときは、適正範囲内なら間食をしてもよいのですが、くれぐれも食べ過ぎに注意が必要です。また、果物は、健康的でエネルギー量が少ないと思いがちですが、最近の果物は果糖を多く含んでいますので、お菓子などと同様に、食べ過ぎに気をつけてください。

糖尿病に適したお酒はありません

ウイスキーや焼酎は糖を含んでいないからいいと考えている人がいます。しかしアルコールが高カロリーなのが問題なのです。しかも、お酒を飲めば、つまみも一緒に食べてしまいます。つまみのポテトチップスやピーナツは高カロリーです。
アルコールは膵臓のインスリン分泌を悪くします。できれば禁酒が望ましいでしょう。

外食時の食品の選び方

外食は一般的にカロリーが高く、野菜も少ないために、栄養のバランスが偏りがちです。
塩分の多いことも問題です。メニュー選びや食べ方を考えましょう。

 ひと工夫して、食事に満足感を得ましょう

食事療法を始めると、物足りなさを感じることがあります。そんなときは献立に工夫をしてみましょう。

ご飯の前にまずサラダ

ご飯を先に食べるよりも野菜を先に食べたほうが血糖値が急に上がりにくいことが知られてます。

 

食後の血糖値が上がりやすい食品に気をつけましょう

玄米、麦は白米より血糖値が上がりにくいので上手に利用すると良いですね。ただGI(血糖上昇係数)は鵜呑みにはしない方がよいです。

 

魚類を多く食べると、HbA1cの改善が期待できます

魚類を多くとることが経口糖尿病薬のうちDPP-4阻害薬の効果を高めるという報告があります。

食品交換表

糖尿病食事療法のための食品交換表

食品交換表は糖尿病の食事療法のためのバイブル的存在と言えます。
この表に従って食事計画を立て、異なる栄養素を含む食材を過不足なく選べば、治療にふさわしいエネルギー量、栄養素を摂取できることになります。

ただ、この食品交換表を使用して実際の食事をつくるのはかなりの手間と、経験を要するのも事実です。
食品交換表では食材を表1から表6までに分類してあり、ある食材がどれに属するかを理解、記憶しなければなりません。
 このようなことを覚えなくても大まかな目安を簡単に知るため、1日摂取カロリー別の図表を作ってみました。一度ご覧になってください。

1日1600kcal(20単位)の目安

1日1600kcal(20単位)の目安です。そのうち主食は11単位になります。
主食はご飯、うどん、パンなどです 。1単位は 80kcalです。

米飯 軽く1杯=100g   食パン 6枚切1枚=60g
朝  1杯半 (3単位)   朝  1枚半 (3単位)
昼  2杯 (4単位)   昼  2枚 (4単位)
夕  2杯 (4単位)   夕  2枚 (4単位)

以下の図はすべて1単位の量を示してあります。

 

米飯半杯に対しての相当量

うどん(ゆで) 80g
そば (ゆで) 60g
中華めん(むし) 40g
スパゲッテイ(ゆで) 50g
里いも 140g(3ケ)
カボチャ 90g(1/8ケ)
さつまいも 60g(中1/3ケ)
やまいも 70g 
トウモロコシ 90g (1本)
ジャガイモ 110g(中1ケ) 
レンコン 120g(小1ケ)
小麦粉 20g
かたくり粉 20g

 

副食は主菜と副菜に分かれます

 主菜は肉、魚、大豆製品などです。1日4単位です。配分は、

 朝    1単位
 昼    1単位
 夕    2単位    となります。

 

副食の主菜が魚の場合

魚1匹
あじ 60g
イワシ中 40g
1切れ
たい 60g
かれい 80g
たら 100g
1/2切れ
さけ 40g
さば 40g
1/3匹
さんま 30g
その他
イカ 100g(1/2杯)
まぐろ(赤味)
(とろ)
60g
30g 
車エビ 80g(3~4匹)
たこ(ゆで) 80g
かき 140g
たらこ 60g
 
副食の主菜が肉の場合

ひれ 60g
ロース 30~40g
ひき肉 40g
ささ身 80g
むね(皮付き) 40g
もも(皮付き) 40g
手羽(皮付き) 40g

 

副食の主菜が大豆製品などの場合

油あげ 20g(1/2~1/3枚)
ウインナソーセージ 30g (2本)
ロースハム 40g (2枚)
チーズ 20g
小1ヶ(50g)
豆腐(絹ごし)
豆腐(もめん)
140g(1/2丁)
100g(1/3丁)
納豆、大豆(ゆで) 40g(大さじ3杯)

 

野菜

副菜は1日300gの野菜です。1単位に相当します。

ねぎ、きゅうり、ほうれんそう、トマト、なす、ブロッコリー、ピーマン、人参、大根、かぶ、ごぼう、はくさい、きゃべつ、セロリ、もやし、たけのこ、玉葱
海藻類、きのこ、こんにゃく
制限なし

油脂,多脂肪性食品は1日1単位

バター、マーガリン 10g
サラダ油 10g(大さじ軽く1杯)
マヨネーズ 10g(大さじ1杯)
ドレッシング 20g(大さじ軽く2杯)
ベーコン 20g(1枚は15~20g)
ピーナツ 15g
 

間食

乳製品は1.5単位
牛乳 180ml
ヨーグルト(全脂無糖) 180g
ヨーグルト(脱脂加糖)  180g
果物は1単位
みかん 200g(中2個) 
りんご 150g(小1または2/3個)
もも 200g(大1個)
バナナ 100g(中1個)
キウイ 150g(小2個)
ぶどう(巨峰)  150g(10~15粒)

 

同じ1日の指示単位20単位(1600kcal)でも炭水化物の率によって、その単位数は変わります

各人の嗜好に合わせて主食の量を加減することができます。
主食1単位の量の量を復習しましょう。

炭水化物 表1 1単位
60%の場合 10単位 ご飯50g  : 軽く1杯= 100g
55%の場合 9単位 食パン30g : 6切り1枚= 60g
50%の場合 8単位 うどん80g  : 1玉= 240g

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