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H29風間内科医院通信

12月号 運動療法の「なぜ」がわかる~普段の生活のなかでの活動量を増やすコツ~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~普段の生活のなかでの活動量を増やすコツ~

寒くなると、屋外での運動の機会も少なくなり、エネルギー消費量も減ってしまいます。しかし、普段の生活活動で消費されるエネルギーは、1日の消費エネルギ-の内25~30%もあることから、生活活動の量を増やす意識を高めることも有用です。例えば、座っている時間が長い人は、立ってできる家事はなるべく立ちながら、自動車通勤の人は、自転車や徒歩に変えるなど、ご自分の生活に合わせた工夫をしてみましょう。安静な時間を減らすという気持ちで1日を過ごしてみてください。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 2型糖尿病患者さんが注意すべき腎障害の自覚症状とは?

腎臓は、血液の老廃物を200万個の糸球体というろ過装置できれいにする働きをしています。しかし、加齢に伴い腎機能は低下します。さらに、糖尿病患者さんの場合、高血糖が続くと糸球体が障害され、蛋白尿、体のむくみや高血圧がおこってきます。進行すると、ろ過をする働きが低下し、尿毒症となり、倦怠感、むくみや息切れなどの症状が出てきて、透析療法が必要になります。定期的に尿検査を行って、尿のアルブミンが出てくる自覚症状のない早期の段階で高血圧や高血糖の治療を行うことが大切です。

 

11月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんが歩くことの効果とは?~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんが歩くことの効果とは?~

ウォーキングは手軽に取り組めるため、運動療法として実践している2型糖尿病患者さんも多いと思います。歩くことの主な効果は、糖を筋肉に取り込ませやすい体質に改善することです。実は、運動することで消費できるエネルギーは、それほど多くはありません。運動した分、食事を増やしてもいいと考えるのは誤りです。ウォーキングを継続するには、歩くことの意味や効果を知り、目標を持つことが大切です。歩数計は、活動量を数値として知ることができることから、目標設定などができる点でモチベーションの維持につながることも報告されています。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン高齢2型糖尿病患者さんの呼吸器感染症特に肺炎に注意が必要

糖尿病患者さんは、血糖コントロールが不良の場合、肺炎リスクが高くなります。肺炎球菌など細菌に感染するとインスリンが効きにくくなるため、血糖が高くなりやすくなります。さらに、血糖がうまくコントロールできていないと抵抗力が弱まり、細菌に対する感染リスクが高くなる悪循環に陥り、重症化する可能性もあるため注意しましょう。肺炎球菌による肺炎を予防し重症化を防ぐには、5年の間隔を目途にワクチンの再接種をしましょう。65歳以上の人を対象とした公費助成が受けられる肺炎球菌ワクチンがありますので、主治医の先生と相談してください。

 

10月号 運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動が効果的な理由とは~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動が効果的な理由とは~

有酸素運動は、負荷が軽く、長く続けて行えるのが特徴で、代表的な運動はウォーキングです。糖を筋肉に取り込ませやすい体質に改善するため、糖尿病患者さんには効果的な運動です。「楽だと感じる」から「ややきつい」と感じる程度の運動強度で、1週間に150分程度となるように、週3~5日のペースで続けると良いでしょう。1日トータルで生活活動も含め8000歩、歩けると良いと考えられます。「きつい」と感じるときは、負荷が強すぎます。自分にあった強度で行うことが大切です。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン高齢2型糖尿病患者さん治療中にはサルコペニアに注意が必要

高齢者では、食事量の減少や消化器機能の低下により、必要なエネルギーや栄養成分が不足する低栄養と呼ばれる状態に注意が必要です。特に高齢2型糖尿病患者さんでは、低栄養により筋肉量が減少したり、全身の筋力が低下したりすることで、歩くスピードが落ちるなど身体機能の低下が起こるサルコペ二アが問題となっています。
サルコペ二アにならないためには、十分なエネルギー量とタンパク質を確保することが必要です。栄養面で十分なサポートをしつつ運動を行うことが、サルコペニアの予防には重要です。

 

9月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんがストレッチをすることの有効性とは~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんがストレッチをすることの有効性とは~

ストレッチの主な効果は、筋肉疲労の回復、関節の柔軟性を増し可動域を広げる、怪我や障害から体を守る、心身のリラックスの4つがよく知られています。
リラックス効果が実感しやすく取り組みやすいため、忙しくてなかなか運動に取り組めない人は、まずは起床後や就寝前のストレッチから取り組んでみてはどうでしょうか。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン高齢2型糖尿病患者さんの白内障リスクとは?

高齢者に多い白内障は、水晶体が濁って視力が低下する病気です。ただし、高齢2型糖尿病患者さんの場合、糖尿病による高血糖と老人性の変化が重なって、より若いうちから白内障になりやすいため、注意が必要です。糖尿病が原因の白内障は、水晶体の中心部から始まるため、視力低下を強く感じます。白内障による視力の低下は元にもどりませんので、予防のため、進行を遅らせるためにも、定期的に検査を行い、主治医の先生の指導のもと、血糖コントロールに取り組みましょう。

 

8月号 運動療法の「なぜ」がわかる~夏場の運動療法で注意すべき熱中症とは~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~夏場の運動療法で注意すべき熱中症とは~

人は、汗をかくことで体温調節をします。夏場の運動で大量の汗をかくと、体は脱水傾向により、汗をかきにくくなります。この状態になると、体内に熱がこもり熱中症に至る恐れがあります。ですので、熱中症予防にはタイミングと水分が重要です。運動を行うときは、日中や炎天下を避け、気温が上がりにくい朝や夕方にスケジュールする工夫をしてみると良いでしょう。運動を開始する前には300~500ml程度の水分を摂り、運動中や運動後もこまめに水分を摂るようにしましょう。高齢者は、口の渇きに気づきにくいため、早めの水分補給を心がけましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんの合併症進行を抑える対策とは?

高齢2型糖尿病患者の高血糖は、網膜症や腎臓障害のほか、脳卒中や心疾患など合併症のリスクを高めます。また、血糖値を下げ過ぎても脳卒中のリスクが高くなるため、ちようどいい血糖コントロールが大切です。血糖コントロールの目標は、患者さんの健康状態、年齢、認知機能、身体機能、重症低血糖のリスクなどを考慮した個別の設定が必要です。合併症を起こさない、進行させない自分に合った血糖コントロールについて、主治医の先生と相談してみてください。

 

7月号 運動療法の「なぜ」がわかる~高齢者の糖尿病患者さんは特に運動時の水分補給には注意しましょう~

1.運動療法の「なぜ」がわかる
~高齢者の糖尿病患者さんは特に運動時の水分補給には注意しましょう~

これからの夏場に、安全に運動を実施するには、暑さを避けることが重要です。夏場は気温や湿度が高い日中や炎天下などは避け、気温が上がりにくい朝や夕方にスケジュールする工夫をしてみると良いでしょう。運動を行うときは、開始する前に300〜500ml程度水分を摂り、運動中や運動後にも、こまめに水分補給をしましょう。特に高齢者は、のどの渇きを感じにくく、いつの間にか脱水症状となっていることもあるため、定期的な水分補給を心がけましょう。無理をしないことも大切です。体に異常を感じたら、はやめに運動を中止しましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 高齢2型糖尿病患者さんのQOLを下げる尿失禁とは?

血糖値が高い状態が続き、膀胱の自律神経障害が起こると、尿を出したり我慢したりするコントロールが上手くいかず、気がつかないうちに尿が漏れてしまう症状がでることがあります。血糖の高い高齢2型糖尿病患者さんは、こうした尿失禁がより起こりやすく、いつ漏らしてしまうかわからない不安などから、生活に支障を来し、QOL(生活の質)を低下させる大きな要因にもなります。尿失禁に気づいたら、主治医の先生に相談しましょう。

 

6月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんに必要な1日の身体活動量とは~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんに必要な1日の身体活動量とは~

最近の研究により、1日の中で座ったままの時間が長いほど肥満、高血糖など様々な疾患リスクが上昇するため、座る時間を短くして運動や日常生活の中で活動量を増やすことを心がけると良いでしょう。現代は、自動車やエスカレーターなどにより便利になった一方、歩く機会はどんどん減っており、無意識に生活していると1日6,000歩未満になっている方が多くなっています。1日の活動量の目標は8,000歩ですので、まずは座っている時間を短くしてちょこちょこ動く、いつもより一駅手前に降りて歩いてみるなど、意識して歩くことを生活の中に取り入れるようにしましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン高齢2型糖尿病患者さんの定期検診の重要性とは?

加齢や糖尿病の羅患歴の長さなどに伴って、様々な合併症が生じやすくなります。しかも「歳のせい」と簡単に片づけてしまった結果、対応が遅くなってしまうこともありますので注意が必要です。気になる症状を感じたら、「歳のせい」などとご自身で勝手に判断せずに速やかに受診することが大切です。また、合併症の予防のためには定期的に健康診断を受け、全身をチェックすることが重要です。どのような内容の健診をいつ受診すべきかを主治医の先生と相談して、ムリなくムダなく治療に取り組みましょう。

 

5月号 運動療法の「なぜ」がわかる~食後血糖値を効果的に下げる食後の運動とは~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~食後血糖値を効果的に下げる食後の運動とは~

健康な方でも食後には血糖値が上昇しますが、2型糖尿病患者さんでは食後に血糖値が過度に高くなることで、心筋梗塞や脳梗塞など重大な合併症リスクを高める可能性があります。食事で摂取したエネルギーを有効利用し、食後の血糖上昇を抑えるためには、食後1時間前後に運動を行うとよいでしょう。特に有酸素運動は胃格筋に働きかけ、インスリンの効き目を良くすることで血糖値を下げます。最近では50分に1度、5分くらい歩くだけでも食後血糖を良くする可能性も明らかになっています。ご自身に合った運動量の目安について主治医の先生と相談してみましょう。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 糖尿病治療中の高齢者が海外旅行時に気を付けたいこととは?

血糖値や合併症を管理できており、状態が落ち着いていれば海外旅行を楽しむのも良いでしょう。しかし、現地と時差が大きい場合は、経口血糖降下薬やインスリンの服用、あるいは注射時間を調節する必要があるため、旅行日程表などを主治医の先生に提示して適切な服用や注射時間を相談しておきましょう。また、最近は多くの航空会社で糖尿病用の機内食も用意されており、事前に予約すれば利用可能です。加えて、低血糖に対処できるようにブドウ糖、アメなどの補食と簡単な軽食も用意しておくと安心です。

 

4月号 運動療法の「なぜ」がわかる~レジスタンス運動による筋量増加が血糖コントロールにも有効~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~レジスタンス運動による筋量増加が血糖コントロールにも有効~

筋肉に抵抗をかけながら繰り返し行うレジスタンス運動は、2型糖尿病患者さんの血糖コントロールに有効です。レジスタンス運動は、筋肉を太くするだけでなく糖質の取り込みを増やし、血糖値を調整する働きがあります。高齢2型糖尿病患者さんでは特に筋肉が細くなりやすいので、日常生活で適度なレジスタンス運動を取り入れることで、血糖を良好に保つだけでなく、筋肉量が維持できるように心がけましょう。実際にどのような運動が良いのか主治医の先生に相談してみてください。

 

2.知っておきたい糖尿病のキホン 境界型と言われた高齢者が気をつけたいことは?

糖尿病と正常者との間に位置する境界型は、糖尿病に準じる状態です。特に高齢者では、ブドウ糖負荷後あるいは食後に高血糖になりやすく、境界型であっても網膜症や認知症のリスクが高くなるため、血糖値を改善していくことが重要です。食事は食物繊維を多く含む野菜などを積極的に取り入れ、動物性の脂質、単純糖質を多く含む清涼飲料水や間食を控えるようにしましょう。また、いつもより長めに歩くなど、意識して運動することも大切です。できることから少しずつ生活習慣の改善に取り組んでいきましょう。

 

3月号 運動療法の「なぜ」がわかる~立っているだけでエネルギー消費量が上がる~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~立っているだけでエネルギー消費量が上がる~

日常生活でエネルギーを消費するためには、同じ動作でも座ったままより、立って行う方が効果的です。イギリスで行われたデスクワークの人を対象とした研究では、椅子に座ったまま仕事をする時と立ったまま仕事をする時とに分け、昼食後約3時間の血糖値を比較しました。その結果、立ったままで仕事した時の血糖値は、座ったまま仕事をした時の4割程低い数値だったことが分かりました。いつもは座って行っている作業も立ってできる部分は立つように心がけてみてはいかがでしょうか。

 

2.高齢2型糖尿病患者さんの自律神経障害による膀胱の働きの低下

高齢2型糖尿病患者さんでは、血糖コントロールの不良な状態が続くと、排尿回数が1日に1~2回程度に低下することがあります。これは高血糖により感覚神経や膀胱を司る神経が障害され、尿意を感じにくくなるためです。
また、膀胱の収縮力が低下して膀胱が増大すると排尿後も膀胱内に尿が残り、これが原因で尿路感染症などにもかかりやすくなります。
このような症状を引き起こさないためにも、適切な血糖コントロール目標や生活習慣の改善方法を主治医の先生と相談しましょう。

 

2月号 運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせが効果的~

1.運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせが効果的~

2型糖尿病患者さんがインスリン抵抗性を改善するには運動を継続することが重要です。この運動にはジョギングやウォーキングなどの有酸素運動と筋力を高めるレジスタンス運動があります。有酸素運動は、身体を動かす筋肉のインスリン作用つまり、筋肉の質を改善する一方、レジスタンス運動は体全体の筋肉量を増やしつつインスリンの効き目を良くします。互いにその意義が異なりますので、この2つの運動を組み合わせながら継続することが血糖をコントロールする上で重要です。

 

2.高齢2型糖尿病患者さんの頭痛は合併症の前兆の可能性も

高齢2型糖尿病患者さんが頭痛を感じた時は、脳卒中など重大な合併症の前兆の可能性もあることに留意しなければなりません。とりわけ血糖コントロールが不十分な患者さんでは、動脈硬化が進行していることもあり、血圧も上昇しがちで、血圧が正常な人に比べて脳卒中を発症する危険性が高くなります。このような重大な合併症を未然に防止するためには、適切な血糖コントロールを日常的に行うことが大切です。主治医の先生と相談しながら、ご自身に合った治療を続けて、適切に血糖をコントロールしましょう。

 

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平成28年度

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