H29風間内科医院通信
平成29年
- 1月号 糖尿病による下痢や便秘?
- 2月号 運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせが効果的~
- 3月号 運動療法の「なぜ」がわかる~立っているだけでエネルギー消費量が上がる~
- 4月号 運動療法の「なぜ」がわかる~レジスタンス運動による筋量増加が血糖コントロールにも有効~
- 5月号 運動療法の「なぜ」がわかる~食後血糖値を効果的に下げる食後の運動とは~
- 6月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんに必要な1日の身体活動量とは~
- 7月号 運動療法の「なぜ」がわかる~高齢者の糖尿病患者さんは特に運動時の水分補給には注意しましょう~
- 8月号 運動療法の「なぜ」がわかる~夏場の運動療法で注意すべき熱中症とは~
- 9月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんがストレッチをすることの有効性とは~
- 10月号 運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動が効果的な理由とは~
- 11月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんが歩くことの効果とは?~
- 12月号 運動療法の「なぜ」がわかる~普段の生活のなかでの活動量を増やすコツ~
12月号 運動療法の「なぜ」がわかる~普段の生活のなかでの活動量を増やすコツ~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~普段の生活のなかでの活動量を増やすコツ~
寒くなると、屋外での運動の機会も少なくなり、エネルギー消費量も減ってしまいます。しかし、普段の生活活動で消費されるエネルギーは、1日の消費エネルギ-の内25~30%もあることから、生活活動の量を増やす意識を高めることも有用です。例えば、座っている時間が長い人は、立ってできる家事はなるべく立ちながら、自動車通勤の人は、自転車や徒歩に変えるなど、ご自分の生活に合わせた工夫をしてみましょう。安静な時間を減らすという気持ちで1日を過ごしてみてください。
11月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんが歩くことの効果とは?~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんが歩くことの効果とは?~
ウォーキングは手軽に取り組めるため、運動療法として実践している2型糖尿病患者さんも多いと思います。歩くことの主な効果は、糖を筋肉に取り込ませやすい体質に改善することです。実は、運動することで消費できるエネルギーは、それほど多くはありません。運動した分、食事を増やしてもいいと考えるのは誤りです。ウォーキングを継続するには、歩くことの意味や効果を知り、目標を持つことが大切です。歩数計は、活動量を数値として知ることができることから、目標設定などができる点でモチベーションの維持につながることも報告されています。
2.知っておきたい糖尿病のキホン高齢2型糖尿病患者さんの呼吸器感染症特に肺炎に注意が必要
糖尿病患者さんは、血糖コントロールが不良の場合、肺炎リスクが高くなります。肺炎球菌など細菌に感染するとインスリンが効きにくくなるため、血糖が高くなりやすくなります。さらに、血糖がうまくコントロールできていないと抵抗力が弱まり、細菌に対する感染リスクが高くなる悪循環に陥り、重症化する可能性もあるため注意しましょう。肺炎球菌による肺炎を予防し重症化を防ぐには、5年の間隔を目途にワクチンの再接種をしましょう。65歳以上の人を対象とした公費助成が受けられる肺炎球菌ワクチンがありますので、主治医の先生と相談してください。
10月号 運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動が効果的な理由とは~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動が効果的な理由とは~
有酸素運動は、負荷が軽く、長く続けて行えるのが特徴で、代表的な運動はウォーキングです。糖を筋肉に取り込ませやすい体質に改善するため、糖尿病患者さんには効果的な運動です。「楽だと感じる」から「ややきつい」と感じる程度の運動強度で、1週間に150分程度となるように、週3~5日のペースで続けると良いでしょう。1日トータルで生活活動も含め8000歩、歩けると良いと考えられます。「きつい」と感じるときは、負荷が強すぎます。自分にあった強度で行うことが大切です。
9月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんがストレッチをすることの有効性とは~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんがストレッチをすることの有効性とは~
ストレッチの主な効果は、筋肉疲労の回復、関節の柔軟性を増し可動域を広げる、怪我や障害から体を守る、心身のリラックスの4つがよく知られています。
リラックス効果が実感しやすく取り組みやすいため、忙しくてなかなか運動に取り組めない人は、まずは起床後や就寝前のストレッチから取り組んでみてはどうでしょうか。
8月号 運動療法の「なぜ」がわかる~夏場の運動療法で注意すべき熱中症とは~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~夏場の運動療法で注意すべき熱中症とは~
人は、汗をかくことで体温調節をします。夏場の運動で大量の汗をかくと、体は脱水傾向により、汗をかきにくくなります。この状態になると、体内に熱がこもり熱中症に至る恐れがあります。ですので、熱中症予防にはタイミングと水分が重要です。運動を行うときは、日中や炎天下を避け、気温が上がりにくい朝や夕方にスケジュールする工夫をしてみると良いでしょう。運動を開始する前には300~500ml程度の水分を摂り、運動中や運動後もこまめに水分を摂るようにしましょう。高齢者は、口の渇きに気づきにくいため、早めの水分補給を心がけましょう。
7月号 運動療法の「なぜ」がわかる~高齢者の糖尿病患者さんは特に運動時の水分補給には注意しましょう~
1.運動療法の「なぜ」がわかる
~高齢者の糖尿病患者さんは特に運動時の水分補給には注意しましょう~
これからの夏場に、安全に運動を実施するには、暑さを避けることが重要です。夏場は気温や湿度が高い日中や炎天下などは避け、気温が上がりにくい朝や夕方にスケジュールする工夫をしてみると良いでしょう。運動を行うときは、開始する前に300〜500ml程度水分を摂り、運動中や運動後にも、こまめに水分補給をしましょう。特に高齢者は、のどの渇きを感じにくく、いつの間にか脱水症状となっていることもあるため、定期的な水分補給を心がけましょう。無理をしないことも大切です。体に異常を感じたら、はやめに運動を中止しましょう。
6月号 運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんに必要な1日の身体活動量とは~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~糖尿病患者さんに必要な1日の身体活動量とは~
最近の研究により、1日の中で座ったままの時間が長いほど肥満、高血糖など様々な疾患リスクが上昇するため、座る時間を短くして運動や日常生活の中で活動量を増やすことを心がけると良いでしょう。現代は、自動車やエスカレーターなどにより便利になった一方、歩く機会はどんどん減っており、無意識に生活していると1日6,000歩未満になっている方が多くなっています。1日の活動量の目標は8,000歩ですので、まずは座っている時間を短くしてちょこちょこ動く、いつもより一駅手前に降りて歩いてみるなど、意識して歩くことを生活の中に取り入れるようにしましょう。
5月号 運動療法の「なぜ」がわかる~食後血糖値を効果的に下げる食後の運動とは~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~食後血糖値を効果的に下げる食後の運動とは~
健康な方でも食後には血糖値が上昇しますが、2型糖尿病患者さんでは食後に血糖値が過度に高くなることで、心筋梗塞や脳梗塞など重大な合併症リスクを高める可能性があります。食事で摂取したエネルギーを有効利用し、食後の血糖上昇を抑えるためには、食後1時間前後に運動を行うとよいでしょう。特に有酸素運動は胃格筋に働きかけ、インスリンの効き目を良くすることで血糖値を下げます。最近では50分に1度、5分くらい歩くだけでも食後血糖を良くする可能性も明らかになっています。ご自身に合った運動量の目安について主治医の先生と相談してみましょう。
4月号 運動療法の「なぜ」がわかる~レジスタンス運動による筋量増加が血糖コントロールにも有効~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~レジスタンス運動による筋量増加が血糖コントロールにも有効~
筋肉に抵抗をかけながら繰り返し行うレジスタンス運動は、2型糖尿病患者さんの血糖コントロールに有効です。レジスタンス運動は、筋肉を太くするだけでなく糖質の取り込みを増やし、血糖値を調整する働きがあります。高齢2型糖尿病患者さんでは特に筋肉が細くなりやすいので、日常生活で適度なレジスタンス運動を取り入れることで、血糖を良好に保つだけでなく、筋肉量が維持できるように心がけましょう。実際にどのような運動が良いのか主治医の先生に相談してみてください。
3月号 運動療法の「なぜ」がわかる~立っているだけでエネルギー消費量が上がる~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~立っているだけでエネルギー消費量が上がる~
日常生活でエネルギーを消費するためには、同じ動作でも座ったままより、立って行う方が効果的です。イギリスで行われたデスクワークの人を対象とした研究では、椅子に座ったまま仕事をする時と立ったまま仕事をする時とに分け、昼食後約3時間の血糖値を比較しました。その結果、立ったままで仕事した時の血糖値は、座ったまま仕事をした時の4割程低い数値だったことが分かりました。いつもは座って行っている作業も立ってできる部分は立つように心がけてみてはいかがでしょうか。
2月号 運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせが効果的~
1.運動療法の「なぜ」がわかる~有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせが効果的~
2型糖尿病患者さんがインスリン抵抗性を改善するには運動を継続することが重要です。この運動にはジョギングやウォーキングなどの有酸素運動と筋力を高めるレジスタンス運動があります。有酸素運動は、身体を動かす筋肉のインスリン作用つまり、筋肉の質を改善する一方、レジスタンス運動は体全体の筋肉量を増やしつつインスリンの効き目を良くします。互いにその意義が異なりますので、この2つの運動を組み合わせながら継続することが血糖をコントロールする上で重要です。
2.高齢2型糖尿病患者さんの頭痛は合併症の前兆の可能性も
高齢2型糖尿病患者さんが頭痛を感じた時は、脳卒中など重大な合併症の前兆の可能性もあることに留意しなければなりません。とりわけ血糖コントロールが不十分な患者さんでは、動脈硬化が進行していることもあり、血圧も上昇しがちで、血圧が正常な人に比べて脳卒中を発症する危険性が高くなります。このような重大な合併症を未然に防止するためには、適切な血糖コントロールを日常的に行うことが大切です。主治医の先生と相談しながら、ご自身に合った治療を続けて、適切に血糖をコントロールしましょう。
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