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薬の保管について

[2021.11.30]

 皆さんは普段どのようにして薬を保管していますか?食品のように、薬を冷蔵庫に入れておけば長持ちすると思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、一般の錠剤やカプセル錠、開封済みのインスリンは、冷蔵庫に入れると取り出したときの急な温度差で湿気を帯びたり、容器が割れたりする恐れがあるため、室温で管理することが基本です。こうした勘違いによるトラブルを避けるためにも、いま一度、薬の保管方法について確認してみましょう。

 

保管の際の注意点は?

 薬は、光や温度、湿度によって効能が落ちる場合が多くあります。保管方法に特別な指示がない場合は、湿気、直射日光、高温を避けて室内で保管します。また、小さいお子さんの手の届かない所に保管するようにしましょう。子どもはなんでも口に入れたがります。子どもの誤飲事故の17%が薬であるという報告があるので、特に注意が必要です。

 また、冷蔵庫で保管するようにという指示がある薬もあります。主にシロップ剤や目薬、座薬などですが、糖尿病関連の薬にも冷蔵庫保存の場合が多くあります。具体的には未開封のインスリンやGLP-1受動体作動薬です。ただし、冷蔵庫内で凍らせないように冷蔵庫のドアポケットや野菜室に保管するようにしましょう。

 

薬の変性

 未開封のインスリンやGLP-1受動体作動薬は、なぜ冷所で保管する必要があるのでしょうか?それは、これらの薬の原料がアミノ酸からなる、たんぱく質でできているからです。たんぱく質は高温や0度以下の低温になると変性してしまいます。変性とは、卵を焼くと白く固まるように、熱などの刺激によりたんぱく質の性質が変わってしまう現象です。薬剤が変性により投与しても全く効かない薬になってしまわないように、これらの薬は開封するまで冷蔵庫に保管する必要があるのです。

 

 薬の作り方はかなり複雑で、その製造には多くの工程と高い技術が施されています。特に品質や安全性には十分な配慮がなされなければならず、厳しい規制も存在しますので、薬を無駄にしないためにも薬の保管はきちんとするようにしましょう。

さかえ 2019年6月号 お薬との上手な付き合い方 より引用

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