新型コロナワクチン接種 どうしようかな
インフルエンザワクチン接種で高熱がでたり、倦怠感がひどかったりしたことを経験して、それ以降インフルエンザワクチンは打ってないが、これから打つ新型コロナワクチンはその副反応が同じ程度かあるいはもっとひどく出るのか心配でなかなか接種の決断も出来ない方もいらっしゃるかと思います。
一般的にはファイザー社のものにしてもモデルナ社のものにしても、接種部位の痛み、疲労、頭痛は多く(50%以上)、また発熱、筋肉痛、関節痛、接種部位の腫れも多く(10~50%)みられます。添付文書上ではインフルエンザワクチンの場合より少し多いという印象を受けます。実際両者のワクチンを受けた人の話を聞いてもそんな感じはします。しかしこうした症状の大部分は接種後数日以内に回復していますし、一過性のものです。 気になるところは両者の副反応の種類、程度に関連(相関)があるかと言うことですが、そのことに関する報告は調べてもありませんでした。
ただ新型コロナワクチンはファイザーでもモデルナでもメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンと呼ばれ、このmRNAを基に人の細胞内でコロナウイルスのスパイク蛋白を作らせ、それに対する抗体を誘導し実際の感染を予防するのです。それに対してインフルエンザワクチンは不活性化ワクチンと呼ばれ不活性化したウイルスの一部を人体に投与しウイルスに対する抗体を作るものです。ワクチンの性質が根本的に異なっておりますので、それに対する副反応もかなり異なってくると考えてよさそうです。 しかしまた考えようによってはこれらのワクチンの副反応はワクチン抗原に対する人の自然免疫反応によってできるサイトカインという物質による症状ですので、インフルエンザワクチンでも新型コロナワクチンでもおなじで、症状の種類や程度は同じ人では同じようになる可能性もまたあります。 しかし多少わからない事があってもこれらの症状は一過性のものですし、新型コロナウイルス感染症は重篤な合併症や後遺症を引き起こす可能性があります。新型コロナワクチン接種は薦められると考えます。
糖尿病と新型コロナウイルス感染症との関係では、中国や米国からの報告では糖尿病患者さんでは重症化するリスクは2.5倍、肥満の方では2.5倍から6倍にもなります。しかしこれは血糖コントロールが悪い方の場合であって、コントロールが良好の方は糖尿病がない人と同程度です。 血糖コントロールとともにウェイトコントロールもしていきたいものです。 幸いなことに新型コロナウイルス感染症の罹り易さについては糖尿病がある人とない人で10%位と同じ程度です。 よく問題になるアナフィラキシーに関しては適切な処置をすれば回復しますし、10万人に1人というまれな頻度からしてしてワクチン接種をやめる理由にはならないでしょう。
感染防御対策とともに血糖コントロール、ウェイトコントロールをしてワクチン接種も積極的にやっていきたいものです。