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インスリンボールって何?

[2022.06.30]

インスリンボールって何?

 インスリンボールはインスリン注射をやっている糖尿病患者さんの腹部などによく見かけるものです。インスリンボールとは皮下の脂肪細胞がインスリンに反復してさらされた為に増大し、ボールのような柔らかい腫瘤(はれもの)になったもののことです(別名リポハイパートロフィーと言います)。またこれとは別にアミロイドという物質が沈着して硬いしこりとなることもあります。

 問題はインスリンボール内部では小さい血管が圧迫されてインスリンが全身に運ばれにくくなることと、打った時の痛みを感じにくくなることです。その為血糖のコントロールが悪くなり、打つのに必要なインスリン量が多くなってしまいます。また打つ部位によってインスリンの吸収が変わってしまいますので血糖値も大きく変動し、低血糖も起こしてしまいます。 そしてボール内への注射は痛みを感じない為さらにそこに反復して打ってしまい悪循環となります。インスリンボールは自然には消えません。そこを避けて打つことが大切です。

インスリンの注射部位は毎回変えなければいけませんです。 

 インスリンボールを作らないためには注射部位をローテーションすることです。注射部位を前回より2~3cmずらして打つことが基本です。打つ部位を毎回変えるようにと言いますと左右、上下を行ったり来たり打って結局同じ部位に打ってしまってる患者さんも見受けられます。丸くおへその周りだけに打つのも良くありません。おへそより下は上からは見えにくいものですがこの部位も十分利用しましょう。しかし前回打ったところをなかなか覚えていられないことも多いものです。インスリン頻回打ち(1日3~5回)の方はカレンダー式に曜日、時刻によって変えていくのも一法です。右から左に(月)から(日)を割り当て、上から下に朝から寝る前にと割り当ててみる方法です。あるいは渦巻式に打つとか、ご自分の好みで打ち方の順番を決めていくと良いでしょう。

 最初は気をつけていても知らいまに同一部位に反復してしまっていたということもあり得ます。インスリンボールが出来てないか確認することも大切です。時々はしこり、腫れがないかお腹を良く触ってみましょう。前から、横からよく観察してみましょう。

 インスリン療法は正しい注射法でより良い血糖コントロール目指しましょう。

 

 

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