リブレがリブレ2となって新しくなりました。
糖尿病と診断された後に生活習慣改善の取り組みを行ったとしてもHbA1cなどの指標に改善が見られない場合は少なくありません。生活習慣改善の難しさを物がったております。
このような中で登場したのがフリースタイルリブレという連続血糖測定器です。これは直接血液中の血糖を見るものではなく、皮膚の下にある皮下組織中の間 質液の糖濃度を測定するものですが、十分血液の血糖値を反映します。糖尿病のある方々では、24時間の血糖プロファイルを継続的にモニタリングすることで、ご自身のライフスタイルと血糖値の変動などの関係をより深く理解し、糖尿病のより良い管理ならびに糖尿病合併症のリスク軽減につながることが期待できます。
リブレの糖を感知するセンサーは500円玉程度の大きさで、専用の器具を用いて上腕に装着し、最長で14日間使用が可能です。センサーは耐水性があり、入浴、シャワー、水泳中も使用できます。血糖値を確認する際は、専用のリーダーを装着したセンサーにかざし、スキャンすると値が表示されます。リーダーは専用測定電極を用いて血糖値を測定できるため、血糖自己測定器としての機能も持ち合わせています。リーダーでなくても専用アプリを使用すればスマートフォンでリーダーのようにスキャンでき、値を見ることができるようになってます。リーダー、アプリともにメモ機能が搭載されて、遡って8時間までの血糖値をグラフで追うことが出来ます。また投与したインスリンの単位数や、炭水化物の量をご本人が入力して記録することが出来ます。この記録はレポートに反映され、本人、医療者ともども血糖推多の振り返りに有用です。
ヘモグロビンA1cでは患者さんの普段の血糖コントロールの平均状態を知ることができますが、その反面日々の血糖値がどのように変化しているのかまでは把握することができません。たとえヘモグロビンA1cが良好でも1日の中で著しい高血糖の時間や低血糖の時間がどうしても出てしまうものです。これが具体的に分からないと、食事にしても薬剤にしても治療の方針が立てにくくなります。特にインスリンの分泌がなくなった1型糖尿病患者さんや血糖コントロールが難しい患者さんでは、日々の生活のなかで血糖値がどのように変化しているのかを把握するのが大切ですが、それが出来ないと適切に対応していくことが困難になります。
そんな中で持続的に血糖値を測定して血糖の変動を見えるようにするための機器として開発されたのが、持続グルコースモニタリングシステム、商品名「リブレ」です。 この機器を用いて、図のように血糖値の変化を点ではなく線で捉えることで、血糖の自己測定だけでは気付きにくかった食後の高血糖や夜間の低血糖を把握できるようになります。そしてそれに対処することによって血糖コントロールの改善に役立ちます。
そんな有用なリブレですが、それが今年リブレ2となってパワーアップして登場しました。これはデータを取るためのスキャンが不要でして、1分毎にリアルタイムで血糖値が測定されそれが自動的にブルーツースでリーダーやスマホに送られます。ブルーツースが届かない所にいた場合はスキャンをすることによって過去8時間分のデータを取り込むことが出来て便利です。 なんといってもスキャン不要という所が大きいですね。 また、家族や介助者もリブレリンクというアプリを使って、血糖値の値やその上昇、低下の様子をリアルタイムで確認することが出来ます。
このリブレ2を使っての臨床上の有用性が報告されてます。1つはHbA1c高値の1型糖尿病患者においてです。指先を穿刺して血液の血糖値見る(血糖自己測定)場合とこのリブレで見る場合を比較して、リブレにおいてHbA1cが0.5%低下し、血糖値70以下の低血糖の時間が43分減少し、180以上の高血糖の時間も86分減少したというものです。もう一つはインスリンを使ってない普通の2型糖尿病患者においてリブレを使うことによってHbA1cが使ってない人と比較してやはり0.5%低下したという報告があります。これは単にリブレを使うということだけでこれだけ改善するという驚きの結果です。
これは血糖を点とし見るのではなく、連続に測定することによって波形として見るため高血糖の存在に的確につかみ、それに対処する方法を考えたり、次回から予測して対策を立てることが可能となるからです。無自覚の低血糖も見つけやすくなり早期に対処しやすくなります。主体的な行動の改善が取りやすくなるということです。
更に同様にデクスコム社からG7という機器も今年発売されました。これもリブレ2と同様にスキャンしなくてもスマホやモニターでリアルタイムに表示でき、過去の血糖測定値の概要も知ることが出来ます。センサーのサイズがより小さくなったり、測定精度がより高くなっているという特徴があります。また血糖濃度の急激な変化を事前に予測して急低値アラートや、高値アラートとして知らせてくれるので早く対処することが可能となります。 リブレ2やG7などのリアルタイム測定器はスキャンするもの(リブレ)と比較してHbA1c7%未満の達成の増加、重症低血糖の頻度の減少が知られています。
保険診療においてインスリンを使用してる方はすべて保険が認められております。 是非使ってみたいものです。インスリンを使用してない普通の2型糖尿病患者さんにおいても、また更に単に血糖が高めと言われてる方においても有用です。この場合は自費になってしまいますが医療機関でもアマゾンでも手に入ります。毎日でなくても時々使って血糖トレンド(変動)をみてみたいものです。