今年の年末年始の過ごし方は
今年の年末年始はいつもと違う
もとより年末年始は、長い休日の為ふだんと異なった生活スタイルを送ることになります。リラックスして過ごす時間が増え、そのため食事に偏りがでたり、運動不足になりがちなものです。 合わせて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本でも流行し、いつもの年と異なる年末年始を迎えることになりますね。 厚生労働省、医師会、自治体からは感染の危険性が高まることから、忘年会や新年会、会食やなどを自粛することが求められています。感染場所は「家庭内・施設・職場」が増えており、とくに"会食"の場での注意喚起が求められてます。まさに正月は帰省によりこれらの機会が増大しますので十分な注意が必要です。
冬に休日が続くと、休日が続いた後の1、2月に、体重を増やし糖尿病のコントロール指標であるHbA1cを悪くする人が多いのは事実です。しかし逆に大規模な忘年会や新年会がのきなみ中止になり、例年の冬よりは血糖コントロールが良くなることも期待されます。従いましてコロナ禍では、自宅で過ごす時間が長くなり、生活リズムが乱れやすいので長い休暇をどのように過ごすか、計画を立てておくことが大切になります。
そこで食事、運動、生活スタイルで注意すべきことを思いつくままに列挙してみました。
- 毎日決まった時間に起床・就眠する
- 食事の時間はなるべく通常の時刻に合わせるようにする
- 3密を避けながら、毎日一定の時間屋外で過ごす。人混みでなければ感染のリスクは低いです。日中ゴロゴロ寝たりしないように、昼寝をする場合でも30分以内にとどめましょう。
- 運動をやりましょう。たとえ本格的な運動でなくても、1回に10~15分のウォーキングなどの運動を1日に2~3回やってみるのも良いでしょう。掃除などの家事、歩いての買い物、子供や孫と遊ぶなどの生活活動はすべて運動になります。もちろんゲートボール、グランドゴルフに参加するのもとても良いです。
- 食べ過ぎないことです。摂りすぎたカロリーを運動で消費するのは至難の技です。食べ過ぎを防ぐことが、肥満を避けるための最も有効な方法です。
揚げ物やバターたっぷりの高カロリーの食品を避けて、食物繊維が豊富に含まれる野菜を食べれば、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを抑えられるでしょう。また炭水化物を多く含む、餅、カレー、デザートなどには注意が必要です。
- 体重を増やさないように。年末年始は、食べ過ぎがもっとも起きやすい時期です。 なによりも今よりも体重を増やさないようにしようという気持ちを持とことが大切です。体重を決まった時間に毎日はかることを習慣にすると良いでしょう。
- おせち料理は保存性を高めるために味付けが濃く、糖分・塩分が多いです。 お祝いの気持ち程度にして、こまめに少量づつにしておきましょう。
切り餅1個(50g)のカロリーは120kcalあります。ご飯1杯のカロリーは250kcalなので餅2個とご飯1杯のカロリーは同じくらいということになります。餅は1食につき2個と覚えまでと覚えておきましょう。ちなみに野菜をたっぷり入れたお雑煮がおススメです
- 鍋料理は豆腐、魚、肉に加えて野菜、海藻を入れれば、立派なバランス食です。
野菜をたっぷり入れた鍋料理を食べるのは、寒い冬にはもってこいです。
年末年始は飲み過ぎないように
2型糖尿病では、適度な飲酒をする習慣のある人は、まったく飲まない人に比べ、心血管疾患などの死亡リスクはむしろ低い、という調査結果の報告もあります。しかしアルコールを飲み過ぎると、インスリンが十分に働かなくなりインスリン抵抗性の原因となり、糖尿病のコントロールが乱れます。
では適度な飲酒量はと言いますと、男性でアルコール量が1日20gぐらいまでだと考えられています。これは、ビール(中びん)1本(500mL)、日本酒1合(180mL)、焼酎1杯(100mL)程度にすぎません。これより2倍も、3倍も飲んでいる方は節酒する必要があるでしょう。
インスリンや、SU薬などの経口血糖降下剤を使っている方は、アルコールの急性効果として低血糖を起こしやすくなります。食事をとらずに飲酒するのは避け避けましょう。またアルコールには利尿作用があるため、水分を補わないと脱水状態になってしまいます。そのため、お酒を飲むときは、水をこまめに飲む必要があります。
SGLT2阻害薬は、血液中の糖を尿中に排出させることで血糖値を下げる薬ですが尿量も増やす作用があります。過度にアルコールを摂取すると脱水を起こしやすくします。この薬を飲んでいるときも、アルコールの飲み過ぎには注意しましょう。
「糖質ゼロ」と表示してあっても、カロリーは「ゼロ」ではありません。アルコールそのものにカロリーがあるからです。普通のビール350mLで140kcalカロリーあります、これはご飯軽く1杯に相当します。
アルコールにはストレス解消の効果もありますが、ストレス解消であれば何か他の方法を見つけるべきでしょう。 趣味を見つけたり、ゴルフなどのスポーツをやったりしてみてはどうでしょうか。