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新型コロナウイルス感染症と糖尿病

[2020.03.15]

新型コロナウイルスと糖尿病

 先日、山梨でも新型コロナウイルスの感染者が発生し身近な脅威として感じられるようになりました。世界中で広がっており、非常事態宣言を出している国もあるほどです。糖尿病のある人が血糖コントロール不良の状態が続くと、ウイルス感染に対して抵抗力がおちますので、とくに注意が必要となります。
 これまでの報告によりますと、この新型ウイルスに感染した症例の80%は軽症で、無症状のケースも少なくない、ということです。 しかし、20%は重症で肺炎、呼吸不全に至るとのことです。 重症化のリスクが高いのは、高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患がある人、透析を受けている人達です。 糖尿病患者さんがウイルス感染症を発症すると、血糖コントロールが難しくなり、さらに糖尿病の合併症があると重くなりやすくなるのが一般的です。
 血糖値が高い状態では白血球や免疫に関わる細胞の機能が低下し、ウイルスが増えやすくなります。日頃から血糖コントロールを良い状態にしておく必要があるでしょう。
 この感染症の最初の症状は、普通の風邪やインフルエンザと似ていて、発熱、咳、疲労感、筋肉痛などで、普通の潜伏期間は3〜7日で、症状があらわるまでに最大で14日かかることもあるとWHOは言っています。

糖尿病患者さんはどうすれば良いのか?

できるだけウイルスを避けるために予防策を講じましょう。それは一般に公開されている感染症対策や健康管理を実践することです。

  1. 石鹸による手洗いや手指消毒用のアルコールによる消毒を行う
     ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があります。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗います。頻繁に触れるものをきれいにして消毒する。
  2. マスクをする
     マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクをつける。
  3. 咳エチケットを行う
     咳やくしゃみをするときに、ティッシュがない場合は、手で口や鼻をティッシュで覆うか、袖、肘の内でおさえる。
  4. 混雑した場所、密閉空間を避ける
     咳などのある人との接触を避ける。 対面で人と人との距離が近い接触はおよそ2m。 集会や会合、密閉した空間、公共交通機関などは感染リスクが高のいでなるべく避ける。

 感染が広まって外出出来なくなる可能性もあります。必要な糖尿病治療薬が十分に手元にあるかを確認し、十分な量の食事と水分の補給を行う。

糖尿病の定期の診療はどうすれば良い?

 確かに一般のクリニックでも新型コロナウイルスの感染者が受診する可能性があります。ここからウイルスに感染してしまうことも考えられます。従ってそのクリニックの感染防御レベルに合わせて患者さんを診ることになるでしょう。あまり風邪患者さんが見得ない糖尿病専門クリニックを選ぶのも一つの選択でしょう。
 糖尿病の定期の診療を予約している人の中には、「医療機関に行くべきか、それとも延期するべきか?」と悩んでいる人もいるかもしれません。 しかし糖尿病は継続して治療と検査を受けることが大切な病気です。糖尿病の診療の予約をとっている糖尿病患者さんは、通常通りに診察を受けておきましょう。
 受診をする際も、石鹸による手洗いや消毒、咳エチケットなどの一般的な感染症対策を心がけましょう。なるべくマスクを着用しましょう。

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