糖尿病患者とフレイル
気をつけようフレイル
フレイルとは加齢に伴って予備能が低下し、ストレスによって要介護に陥りやすい状態と定義されます。フレイルは健康と要介護の中間の状態と言えるでしょう。運動や食事の介入によって一部健康な状態に戻る場合があるという可逆性は、フレイルの特徴です。もう1つの特徴は多面性で、身体的フレイルだけでなく、認知機能低下やうつなどの精神・心理的フレイル、閉じこもりなどの社会フレイルなど多様であることです。
フレイルの判定基準というのがあります。
1・体重減少: 6ヶ月から2~3㎏の体重減少
2・疲労感:訳もなく疲れたような感じがする
3・筋力低下: 握力が男性26㎏以下、女性18㎏以下
4・運動量低食事管理下:「軽い運動・体操をしていますか?」
5・歩行速度低下:1.0m/s未満(信号を時間内に渡り切れない速度)
これらの幾つかが当てはまる場合フレイルとなります。皆さんはどうでしょうか?
フレイルであれば食事と運動を見直します。運動については、家に閉じこもっていたり、家で寝ている時間が多かったりしたら、座っている時間、寝ている時間を短かくし、外出の機会を増やすように努めます。更にすすめられるのは筋力トレーニングと多要素の運動です。市町村の運動教室、介護保険で利用可能なデイケア、ジムでのマシントレーニング、椅子を使ってのスクワット、ヨガ、太極拳などがあります。水中歩行もいいですね。週2~3回は行いたいものです。
食事療法については、タンパク質の摂取を増やすことが大切です。高齢者は肉が苦手な場合がありますので、魚、乳製品、卵、大豆製品などを組み合わせてとることです。朝食でタンパク質を必ずとるようにするとよいですね。大切なことは、これらは現在は元気な方にとってもフレイル予防となることです。
糖尿病患者ではフレイルのリスクが5倍とも言われてます。気をつけたいものです。