院長のブログ
高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について
日本糖尿病学会と日本老年医学会は5月20日に「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」を発表しました。その内容は患者さんにとっても、医療関係者にとっても分かりやすく、納得のいくものと思いました。
その中身は患者さんの特徴・健康状態に応じて大きく3つのカテゴリーに分類し、薬剤使用の有無で2つに分類(カテゴリーIでは年齢でも2つに分類)して血糖コントロールの目標値を定めてます。以下のようなものです。
・カテゴリーI(認知機能正常かつADL自立)
薬剤使用なし HbA1c値 7.0%未満
薬剤使用あり HbA1c値7.5%未満 (65歳以上75歳未満)
HbA1c値 8.0%未満 (75歳以上)
・カテゴリーII(軽度認知障害~軽度認知症または軽度日常生活動作低下)
薬剤使用なし HbA1c値7.0%未満
薬剤使用あり HbA1c値 8.0%未満
・カテゴリーIII(中等度以上の認知症または日常生活動作低下または多くの併存疾患や機能障害)
薬剤使用なし HbA1c値 8.0%未満
薬剤使用あり HbA1c値 8.5%未満
日常生活動作とは、日常生活において繰り返す基本的な活動のことで主に食事、排泄、整容、移動、入浴などのことです。
如何でしょうか。HbA1c 8.0%位までは良いんだと安心される方も多いと思います。これは、加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなることに対応した為です。 頑張って行きましょう。 しかし高齢のお年寄りさんはあまり頑張りすぎない方が良いのでしょう。