インスリンを打っている方、ざっくりカーボカウントを
1 型糖尿病の方でもインスリンを使っている2 型糖尿病の方でもざっくりと糖質を見積もれる様になりますと食事の自由度が増し、それに合わせたインスリンによるコントロールが改善するものです。
糖尿病の食事療法は通常炭水化物、蛋白、脂質の摂取バランスの良い適正なエネルギーを決めてそれに従って食べる量を調節するのが日本においては一般的です。 しかしここで紹介するカーボカウントとは、糖質量を把握して血糖コントロールに役立てる方法です。食物の中で最も急激な血糖上昇を来すのが炭水化物ですので、食事中の炭水化物量を計算して糖尿病の食事管理に利用します。1型糖尿病患者でも2 型糖尿病患者においても利用可能な方法で、欧米では一般的に利用されています。
カーボは英語のカーボハイドレートからきています。そのまま訳すと「炭水化物」ですが炭水化物のなかにある食物繊維は約5%と少ないため、残り95%の「糖質」と「炭水化物」をほぼ同等とみなしても良いでしょう。
栄養素のなかで、もっとも血糖値に影響を与えるのは糖質です。たんぱく質や脂肪も血糖値を上げますが、糖質に比べて上昇速度は遅く、上昇幅も小さいです。特に1型の人は糖質に主に注目して、その量と血糖値から食前のインスリン量を決定することでかなり自由な食生活が可能となります。
しかしこの糖質量を見積もるのが比較的困難なためカーボカウントを実行している人は少ないのが現状です。ここでは最小限の知識で糖質量、カーボを見積もる方法を紹介してみたいと思います。ざっくりとカーボを見積もるのがコツです。ざっくりカーボカウントです。ここでは糖質10gを1カーボと表示します。
先ず主食(ごはん、パン、麺類)のカーボはきちんと把握しましょう。
ご飯100gで3.5カーボ
150gで5.5カーボ
コンビニおにぎりは大体4カーボ
寿司は1貫約1カーボ
カレールーは重量の1/10がカーボ(200gのルーで2カーボ)
丼物 10~12カーボ
ちらし寿司 12カーボ
食パン6枚切り1枚で3カーボ、パンは重量の半分が糖質です
ロールパン1.5カーボ
コッペパン2 カーボ
サンドイッチ1切れ1カーボ
菓子パンはカーボが多い 6~7カーボ
ゆでうどん1玉200gで6カーボ
中華麺 1玉200gで6カーボ
次はおかずです。おかずは多種多様で見積もることが難しくおもわれますが、イモ類が入っていなければ大体2カーボと覚えて下さい。
更に細かくは次の様にざっくり見積もればOKです。親指と人差し指でOKサインを作り、
その大きさのじゃがいもや里芋、かぼちゃは0.5カーボ、
さつまいもはいも類のなかでも糖質が多く倍の1カーボで見積もります。
肉、魚、卵は0カーボ(たんぱく質)です。
揚げ物の衣は小麦粉を使ってますので、
手のひらの半分程度にのるサイズは0.5カーボ、
手のひらにしっかりのるサイズは1カーボと見積もります。
調味料は
小皿料理は5g
大皿料理は1カーボと見積もります。
果物は
みかん1個で1カーボ
柿1個、バナナ1本で2.5カーボ
リンゴ1個3.5カーボ
みかん1個分の大きさの果物は約1カーボとざっくり覚えましょう。
飲み物は
ジュースは100mlで1カーボ
スポーツドリンク、牛乳は200mlで1カーボ
アルコールは
ビール 350ml 1カーボ
日本酒 1合 1カーボ
ワイン,ウイスキーは0カーボです。
パックになった市販食品、お菓子類はその成分表示を確認しましょう。エネルギー407kcal、糖質48gとか出ているはずです。
栄養量が記載されてない総菜や外食では、大きい皿は1カーボ、小鉢は0.5カーボと見積る方法もあります。
如何でしょうか、これだけあれば大体は計算できるかと思います。先ずは主食をしっかり押さえて、おかずは知っている範囲で見積もっていくのがコツです。1型の方はカーボの考えかたは特に有用です。すぐにできなくても徐々に練習していくと良いでしょう。