注射部位を毎回変えましょう!
インスリン注射の場所をどのように変えていますか?
「インスリンを打つ場所は変えていますか?」と伺うと、多くの方が「毎回変えているよ。」と答えて下さいます。しかし、注射器を持った手と逆の場所には、手を持っていきづらく、意識しないといつもと同じ場所へ自然と手が動いてしまいます。どのように変えているか詳しく伺うと、「上下・左右・行ったり来たり」といった返答が多く、確かに変えていることにはなりますが、場所の集中を避けるためには不十分と言えます。
注射部位を変更せず、皮膚が固くなっているところ(しこり)に注射していると、インスリンの効果が弱まってしまったり、吸収が不安定になることで予期せぬ低血糖を招く原因ともなります。特に、インスリンの単位数が多い方、注射頻度が多い方にしこりや腫れが出来やすいと言われています。
~「しこり」を防ぐための、インスリン注射を打つ際のポイント~
① 注射範囲は広くもつ。少なくても左の脇腹から右のわき腹まで。
② 注射部位を前回打った場所から指2本ずつずらす
患者さんから「他の場所は痛いので打たない、同じところに打っている。」という声を多く聞きます。しかし、しこりや腫れに注射すると痛みが鈍くなっているため、痛みを感じにくいことがあります。
痛みが少ないため、さらにそこに注射が集中してしまい、しこりを大きくしてしまう原因となります。
また、体の中には注射をしても痛みを強く感じる部位と、そうでもない部位があります。そのため、痛みが少ない部位ばかり選んでしまい、その部位に注射が偏ると、結果としてそこにしこりができてしまうということもあります。以上のことから、「痛いはずの注射が痛くない」にはむしろ注意が必要です。
慣れていない場所に注射をすることは不安に感じることもあると思います。
受診するたびに、当院の看護師がお腹にまんべんなく打てているか、しこりができていないか確認させて頂いております。インスリン注射は毎日のことなので、より良いインスリン治療をトラブルなく行えるように支援させていただきます。